照井会議の夢遠く

母が一人秋田の田園地帯にぽつんと残されるのを何とかしたく頭をひねった。

 

状況を考えるになかなか厳しい。

なにぶん、あらゆるアクセスが遠い。

 

近所のスーパーまで自転車で30分。(近所?)

バス停まで歩いて10分、朝方に2、3本のバスが来る以外は数時間に一本の頻度。

 

自転車に乗れば乗ったで何にも遮るものがない。

ただひたすらに田園地帯。

吹きっさらしの風が厳しい。

しかも、歩道の線もあるかないか分からぬような国道の脇を自転車が通るのは危ない。

 

冬になればもはやこの辺りはセミ穴熊状態。

食料買いだめして熊が冬眠するかの様な(ちょっと盛り気味)

 

元々、親父の車に乗せられて生きてきた人間。

諸事情もあってほとんど地元を出ていない。

これから何をして良いかも分からない。

趣味もこれといってない。

 

そこで考えた。

略して「照井会議」(母の旧称が照井)

 

照井五兄弟を今流行りのZOOMという会議アプリによっておしゃべり会を開くというもの。

 

俺ってなんて頭がいいんだと自画自賛して早速進める。

母の兄夫婦つまり私のおじさんおばさんの家に行った。

 

二人とも70超えのアナログ人間。

パソコンないスマホない。

それがなければZOOMができない。

 

最初の関門。

スマホ導入は夫婦の意見不一致により棚上げ。

う~ん。

 

ならばまずは言い出しっぺの隗から始めよ。

実家のパソコンにZOOM導入を図る。

 

ビデオが映らない。

なんとパソコンにカメラがついていないではないか。

 

声は聞こえるものの顔が映らない。

これじゃあ当初の目的未満。

 

じゃあスマホか。

しかし、母はガラケーですらまともに扱えない。

メールの一文を打つのに必死の思いでやっている。

ていうか一文が打てない。

メールのやり取りなんて高嶺の花。

 

そんな母にスマホは果たしてどうか。

第二の関門。

 

 

じゃあ私がなんとか工夫して頭をひねらせてとは思うものの元々こういったことは大の苦手。

パソコン関係のハイカラな言葉を聞くだけでぞっとして生きてきた人間。

基本、人にやらせて美味しいとこ取りで生きてきた。

 

その自分がまさか先陣を切ってこんなことをやっても案の定、早々に細かいところで行き詰まる。

照井会議が危ぶまれている。

第三の関門。



しかし、これは母のこれからの生活に死活的に重要。

 

さあどうする?