高層フェチ

東北の田舎で育った。

 

にしても商店街の一角に住んでいた。

私にとっては田舎の中の都会。

 

近くの商店街に4階建てのデパートがあった。

その頃の私にとっては超大型ビル。

 

市内に三軒ほど4階建てのデパートがあった。

さながら高層ビル街。

憧れである。

 

中学の修学旅行でたしか東京に行った。

東京に近づくにつれ街並みが豪華になっていく。

 

電車から見る建物はほとんど全てが4階建て以上。

中にはよくわからない階数の建物がある。

 

面食らった。

いんや、東京だばすんげなと。

 

東京に憧れていた。

大学も東京の大学に入る事を考えていた。

 

しかし伝説のセンター試験前日徹夜賭けポーカー大会。

私の部屋で始まった。

 

5、6人ぐらいいただろうか。

人生をナメていた。

 

おかげでセンター試験は散々たる結果に。

私がポーカーを誘った連中の中には試験中寝ていたものもいたらしい。

人の人生を狂わした。

 

夢破れて東北の大学に入った。

それでも東京への憧れは止まなかった。

 

やがて7年ほど前に東京に来た。

初めて渋谷の街に行った時、スクランブル交差点に面食らった。

 

あの凄まじい人混みの中で強烈なまでの孤独感を感じた。

私のことを誰一人知らない大群衆の中にポツンと一人。

 

孤独とは人がいないことではなく、自分が孤独と感じることなのかもしれない。

 

更に新宿で面食らった。

真の高層ビル街。

歩きながらずっと上を見ていた。

 

新宿に来るたび見上げる。

というか見とれる。

 

はぁ~と。

今なおである。

 

てっきり私が田舎に住んでいたからだと思っていた。

ところがこの前友達と新横浜駅の前で歩いていた時のことだ。

 

かっこいい高層ビルをホエ~と眺めていたら、なんと友達は眺めていないではないか。

聞くと興味もなさそうだ。

 

なんたることか。

そんな馬鹿な。

 

これだけのカッケー建物を前にして。

 

そこで気づいた。

そうか、私は高層フェチなんだと。



はい、そういうことです、私は高層フェチです。

ただそれだけです。