30数年前の約束を半分だけ果たす

実家のある秋田の湯沢市役所に行った。

その側に中央公園と呼ばれる公園がある。
公園と言っても山とワンセット。
頂上には湯沢城の跡地がある。

頂上まで行くには大変だが、下の公園は小さい頃の遊び場。

ターザンごっこしたり、カブト虫取ったり、秘密基地を作ったり、なんでもやったものだ。

市役所の用事を済ませ、ふと久しぶりに公園の中に入ってみようと思った。

何十年ぶりだ。

ふと階段を見た。
ムクムクと何かが湧いてきた。

ちょっと登ってみようか。
懐かしさが込み上げる。

ふと草むらに微かに残る山道が目に留まる。

思わず踏み入れた。
何度も通った山道。

ズンズンズンズン入っていく。
どの辺まで行ったら戻ろうかと思ったが足が止まらない。

夕刻。
やや暗くなり始めている。
人影は全くない。

急勾配の道。
息が苦しくなる。

しかし、そこは性(さが)。
キツくなると益々攻める。

もはや止められない。
シンとした山道を黙々と登る。

汗が滴る。

と、ふと思い出した。
30年以上も前のことを。

一緒に頂上に登った友達と、その後会うたびに合言葉のようにまた登ろうねと話していたことを。

その後結局登ることはなかった。
一度きりの頂上。

心が定まった。
登る。

懐かしい沼があった。
山椒魚の卵を取った沼。

ふと見るとオニヤンマが群生していた。
小さい頃ですら見たことがなかったオニヤンマの群生。

驚いた。

そうして辿り着いた湯沢城跡。
はぁ、こんなもんだったか、風情も何もないような跡地。

もう少し行けば熊のいる穴があったはず。
しかしもういいだろう。

時間にして30分かかったかどうか。
ガーッと一気に登ったのもあったとは思うが、小さい頃はそれこそ二時間三時間かけて登ったような気がする。

おそらくは、沼で山椒魚を探したり、栗を足で踏み潰して実を取ったり、カブト虫探したり、いろんな寄り道が多かったのだろう。

ただただ無心に遊んだような気がする。
ただただ楽しかった。

夕焼けに楽しい一日が終わる切なさをジンと感じたのを覚えている。


懐かしさと共に果たした30年以上前の約束。半分だけの。

オッケーな一日。